Class社での団員記念写真

この度団員20名で構成されました研修団は、平成10年12月7日、芽室を出発し14日間の日程でオランダ、ドイツ、イタリア、フランスの4カ国を視察する計画を立て、春より練り上げて参りました。その内容は今までのどんな海外視察にもまして充実したものになったと考えております。それでは、研修中、私が特に感じたことを報告させて頂きます。

まず最初の国オランダはアムステルダムに到着。機中よりの眺めはまるでガラスの街のように農業用ガラスハウスが並んでいる。それもそのはずで、世界の切り花の68%を占める園芸大国とのこと。それら農家の内の1軒であるが、あえて花農家ではなくミニトマト農家のことを書きます。まず驚いたのは1haに及ぶガラスハウスで、内部は切れ目が無く仕切りの無い空間となっています(下記写真。支柱のパイプはある)。北海道ではまず雪の関係で無理と思われる作りでした。暖房は床土から15cmぐらいの所を張り巡らされた鉄パイプの中を天然ガスを燃料に加温されたお湯が通ていて、またこのパイプが作業用のレールも兼ねていました。それと並行に並べ置かれた水耕栽培用のスポンジ状ベット、外見はビニールに包まれ中身はピートのような天然系の素材が詰まっています。そこに持ってきたばかりのミニトマトの苗が置かれ、液肥を送る細いチューブが刺さって数万の苗が並んでいました。それらのトマトは、コンピュータによって、温度、湿度、液肥の濃度などが管理されており、特に肥料分はN.P.K.のほかに鉄、亜鉛、銅、マンガン、苦土など、ミネラル分に関しても施され、40年も前から植物に必要と農業者が考え、今では当たり前の認識であるとのこと。私もミネラル分が植物と土壌中の微生物に必要と、アメリカの研究組織とデーターをやり取りしながらSRUと言うグループで活動してきましたが、世界の農業の流れとして間違った方向ではないと確信が持てた次第でした。また、農場主の話では、これらの管理を徹底する事により、ほとんど薬剤は使わないそうです。



次に訪れた国はドイツ。この国は農業も見所ですが、やはり日本と同じく世界のトップレベルの工業国でもあります。その中で私達が見学したのは、日本のMSK東急機械が取り扱う、クラース社のコンバイン組立工場です。工場建坪が約10haと広大な敷地は、都市から離れたドイツ北西部のハーゼウインケルと言う田舎町に有ります。迎えてくれたのは、地域営業部長で日本担当エルケイ ホイヤマンさん。片言の日本語で迎えてくれ工場内の見学と、設置したばかりの視聴覚機器で説明を受けました。特に力を入れて説明してくれたのが、普通型コンバインに取り付けて大豆などの豆をダイレクトに収穫するフレキシブルヘッド(別名ソイビーン・カッターバーヘッド)、刃の部分が畑の凸凹に追随し易いよう柔らかくセンサーも組み込まれています。(アメリカJD社製コンバインに装着され北海道で四台稼働中。すべて個人輸入。)これらの機械は約20年も前からアメリカで開発改良され今日に至っているが、ディーラーを通じては日本に紹介されてはいない。日本でも最近、国産大豆の人気やら、作業時間の低減やらで大豆が見直され、国産メーカーの米用コンバインに改良ヘッドを付け、高価な値段で国の補助対象にもなって売られています。ディーラーも日本での市場性の薄さ、販売に当たって国検や安全鑑定の取得にコストと時間がかかりすぎることを嫌って、なかなかこういう優れた機械を輸入紹介してくれない。まあ、日本に輸入されても万人向きで無いと言えばそれまでですが、私が思うに今までに無い日本農業の形態を模索されている向きには良い機械だと思います。以上多くの視察先中、私なりに絞り込んで書いて見ました。

総じて感じた事は、EU加盟諸国の農民は、1999年ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意見直し後の事を非常に関心を持って見つめ、自給率についても国民生活の永続的な安定に関わる問題とし農業者自らが考え行動し、国民もそれを理解し支持していることが感じられました。最後に、青年部盟友に伝えたいことは、今回の視察で私も感じましたが百聞は一見にしかずで、塩ぱい海の向こうから自分たちの農業を見つめて見ることは、決して損にならないし、行くなら若いうちがベストだということです。


ドイツのホームステイ先にて。向かって右が私、尾藤です。



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